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基礎知識

ファクタリングの仕訳はどうする?勘定科目・会計処理をわかりやすく解説

ファクタリングの会計処理を経理担当者向けに解説。借入ではなく売掛債権譲渡である基本前提、典型的な仕訳例、勘定科目(売上債権売却損/支払手数料)の選び方、よくある間違い、消費税の扱い、税理士相談タイミングまで。

編集・運営:公開日 2023.08.11最終更新 2025.03.22
本記事は2025.03.22時点のファクサポ編集部による情報です。 審査基準・手数料・契約条件は変更される場合があり、ご利用前に必ず各社公式情報をご確認ください。

「ファクタリングを利用したが、経理処理がわからない」「税理士に確認する前に、基本的な仕訳を知りたい」「手数料はどの勘定科目にすればいい?」——ファクタリング利用後に経理担当者がよく直面する悩みです。

結論から言うと、ファクタリングは借入ではなく売掛債権の譲渡であるため、通常の融資とは会計処理が異なります。基本は「売掛金を消滅させ、入金額と手数料を分けて記帳する」シンプルな仕訳です。

ここでは、ファクタリングの会計処理の基本、典型的な仕訳例、勘定科目の選び方、よくある間違い、消費税の扱いまでを整理します。

ファクタリングは借入ではない

経理処理を考える前に、最も重要な前提です。

一般的な事業者向けファクタリングは、売掛債権の譲渡(売買)取引であり、借入ではありません。そのため、借入金として計上するのは誤りで、信用情報にも影響しません。

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ファクタリング利用時の基本フロー

経理処理は次の流れに沿って考えます。

1. 売掛金が貸借対照表に存在(売上計上時に「売掛金/売上」で計上済み) 2. ファクタリング会社へ売掛債権を譲渡 3. 手数料を差し引いた金額が入金される 4. 譲渡した売掛金を消滅させ、手数料を費用計上

関連記事請求書のみでもファクタリングは利用できる?

仕訳例(2社間ファクタリングの基本)

前提

  • 売掛金額面:1,000,000円
  • ファクタリング手数料:100,000円(10%)
  • 実際の入金額:900,000円

譲渡・入金時の仕訳

借方:

  • 普通預金 900,000円
  • 売上債権売却損 100,000円

貸方:

  • 売掛金 1,000,000円

この仕訳で、売掛金が消滅し、入金分が預金に計上され、手数料が費用化されます。

手数料の勘定科目はどれを使うか

ファクタリング手数料の勘定科目には明確な法的決まりはありません。よく利用される選択肢は次の3つです。

① 売上債権売却損(最も一般的)

「売掛債権を売却したことによる損失」として、財務会計上の意味が明確です。多くの企業で標準的に使用されています。

② 支払手数料

シンプルでわかりやすい科目。手数料という名目に直結するため、税務調査でも説明しやすい一方、本来的な性格(債権売却損)とはやや異なります。

③ 雑損失

その他に該当しない場合に使われます。頻繁にファクタリングを利用する場合は、独立科目(売上債権売却損)を使ったほうが管理しやすくなります。

会社の会計方針に従い、一度決めた科目は継続的に使用するのが基本です。

2社間ファクタリングの仕訳

2社間では、利用者が売掛先から入金を受け取った後、ファクタリング会社へ送金します。基本的な仕訳は譲渡・入金時の処理で完結します(預り金を別計上する運用もあります)。

関連記事2社間ファクタリングとは?

3社間ファクタリングの仕訳

3社間では、売掛先がファクタリング会社へ直接支払うため、利用者の経理処理は2社間よりシンプルです。仕訳自体は2社間と同じですが、売掛先からの送金を中継しないため処理が一回で完結します。

関連記事3社間ファクタリングとは?

よくある間違い

① 借入金で処理する

一般的なファクタリングは借入ではないため、「借入金/普通預金」で計上するのは誤りです。財務指標が悪化し、信用情報に余計な記録が残るリスクもあります。

② 手数料を売上値引きにする

「売上値引・売上戻り」で計上すると、売上総利益が下がる形になります。会計方針との整合性を税理士と確認しましょう。

③ 売掛金を消し忘れる

譲渡したのに売掛金が貸借対照表に残っているケースが意外と多くあります。月次決算で必ず確認しましょう。

④ 償還請求権ありを通常譲渡で処理する

償還請求権あり(リコース型)の場合、実質的に借入と似た性質を持つため、会計処理が異なる実務でしばしば見られます。契約形態の確認が必須です。

関連記事ファクタリング契約書のチェックポイント

消費税の扱い

ファクタリング手数料の消費税の扱いには注意が必要です。

  • 売掛債権の譲渡そのもの:非課税取引
  • ファクタリング手数料:多くの場合、非課税として扱われる(債権譲渡の対価とみなされる)
  • 事務手数料・登記費用・印紙代:課税・非課税が混在

具体的な扱いは契約内容によって異なるため、税理士への確認が必要です。

ファクタリング利用時に経理が確認したいポイント

会計処理の前提として、次の項目を整理しておきます。

  • 契約形態(2社間・3社間)
  • 償還請求権の有無(ノンリコース・リコース)
  • 手数料の内訳(本体手数料・事務手数料・登記費用)
  • 売掛債権の譲渡時期(契約日・債権発生日)
  • 入金日・送金日(2社間の場合)

これらによって仕訳・科目選択が変わるケースがあります。

関連記事ファクタリング手数料の相場

税理士へ相談したほうがよいケース

次の場合は、自社判断ではなく税理士への相談を強く推奨します。

  • 初回利用:会計方針の決定が必要
  • 高額取引(数百万円〜億単位):仕訳ミスのリスクが大きい
  • 複数債権を同時譲渡:管理が複雑化
  • 特殊契約(償還請求権あり・分割譲渡・継続契約等)
  • 税務調査が近い:事前に整合性を確認

個人事業主の場合

個人事業主でも、会計処理の基本的な考え方は同じです。青色申告・白色申告どちらでも、売掛金を消滅させ、手数料を費用化する流れになります。

ただし、勘定科目は青色申告会計ソフトでデフォルト設定されているものに合わせるのが運用上ラクです。

関連記事フリーランスでもファクタリングは利用できる?

やってはいけないこと

仕訳をしないまま放置する

ファクタリング後に売掛金が消えないと、貸借対照表が実態と乖離します。月次決算の正確性に直結します。

税理士に確認せず大きな契約を進める

特に高額・継続的なファクタリングは、会計方針・税務処理の影響が大きいため、事前確認が必須です。

手数料を経費にできないと誤解する

ファクタリング手数料は通常経費(費用)として処理可能です。借入の利息と同様、事業上の支出として認められる範囲で経費計上できます。

まとめ

ファクタリングは借入ではなく、売掛債権の譲渡取引です。そのため、売掛金を消滅させ、入金額と手数料(売上債権売却損または支払手数料)を分けて記帳する、シンプルな仕訳が基本になります。

ただし、契約形態(2社間/3社間)・償還請求権の有無・手数料内訳などによって細部の処理が変わる実務でしばしば見られます。特に初回利用・高額取引・特殊契約の場合は、税理士への確認が安全です。

具体的な会計処理は、貴社の会計方針と契約内容を踏まえて顧問税理士にご相談のうえ、必要に応じてファクタリング会社の比較もご覧ください。

よくある質問

A

一般的にはなりません。売掛債権の譲渡(売却)として処理されます。

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編集部より(ご利用上の注意)

本記事はファクサポ編集部が、ファクタリングや資金繰りに悩む事業者向けに一般的な情報をまとめたものです。審査基準・手数料・契約条件は各社や状況によって異なり、変更される場合があります。実際のご利用前には、各社の公式情報や、税理士・中小企業診断士・弁護士などの専門家に必ずご確認ください。当サイトは情報提供を目的とし、特定のサービスの利用を保証・推奨するものではありません。

参考(一般的な公的情報源)

記載内容は一般的な目安であり、最新の制度・統計・公式情報は次の各機関や各社公式サイトでご確認ください。経済産業省財務省国税庁厚生労働省金融庁中小企業庁。各ファクタリング会社の手数料・対応条件は必ず公式サイトでご確認ください。

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