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経営・財務

損益と資金繰りの違いとは?黒字なのに倒産する会社がある本当の理由

利益が出ているのに口座残高が増えない理由を解説。損益(PL)と資金繰り(キャッシュ)の根本的な違い、黒字倒産が起きる仕組み、建設業・製造業・飲食店で頻発する典型パターン、経営者が毎月見るべき5つの数字を整理します。

編集・運営:公開日 2020.12.22最終更新 2024.05.05
本記事は2024.05.05時点のファクサポ編集部による情報です。 審査基準・手数料・契約条件は変更される場合があり、ご利用前に必ず各社公式情報をご確認ください。

経営者からよく聞く相談があります。「売上は増えている。利益も出ている。でも口座残高が増えない。なぜか?」——その答えが、損益と資金繰りの違いです。

利益が出ていてもお金があるとは限らず、逆に赤字でも現金が潤沢な会社もあります。これは中小企業に共通する論点で、「数字経営」の出発点でもあります。

損益と資金繰りは別物

まず結論から言うと、利益と現金は別物です。

項目損益資金繰り
見るもの利益現金
管理資料損益計算書(PL)資金繰り表
判断軸儲かっているか支払えるか
危険信号赤字現金不足
対応する財務諸表PLCF計算書

損益とは

会社がどれだけ儲かったかを表す数字です。損益計算書(PL)で確認します。

主な項目は、売上高・売上総利益・営業利益・経常利益・当期純利益の5つです。

資金繰りとは

会社のお金の流れを表します。今いくらあるか、来月いくら入るか、何を支払うかを管理します。

詳細は資金繰り表の作り方で整理しています。

なぜ利益が出ても苦しいのか

理由はシンプルです。売掛金です。

100万円の商品を販売→請求書発行→売上100万円計上→利益発生。しかし、入金は2か月後。口座残高は増えていません。

会計上は黒字、現実にはお金がない——これが起こる構造です。

黒字倒産の正体

黒字倒産とは、利益が出ているのに倒産することです。原因は現金不足です。

売上増加→利益増加→売掛金増加→現金不足→資金ショート、という流れが典型例です。詳細は黒字倒産とは何かで構造を解説しています。

建設業でよく起きる例

受注→工事開始→外注費支払い→材料代支払い→工事完了→請求→入金、という流れです。支払いが先、入金が後になります。

入金サイト60〜120日が一般的な建設業では、利益が出ても運転資金需要が大きくなります。建設業の資金繰りが苦しい理由も参照してください。

製造業でよく起きる例

受注→仕入→在庫増加→現金減少→売上計上、というパターンです。利益は出ますが、現金は減っています。

原材料の前払いと、製品納入後の入金タイミングのズレが構造的に発生します。

飲食店で起きる例

店舗改装→設備投資→現金減少→利益は黒字、というケースです。設備投資はPL上では減価償却で按分されますが、現金は契約時に一括で出ていきます

経営者が見るべき5つの数字

利益だけでは足りません。最低でも以下を毎月確認する必要があります。

  • 現金残高
  • 売掛金残高
  • 買掛金残高
  • 借入金残高
  • 月間支払額

詳細な計算方法は運転資金の計算方法で整理しています。

警戒したいサイン

次の状態は要注意です。

  • 利益は増えている
  • 現金は減っている

これは資金ショート予備軍です。

なぜ中小企業は気付きにくいのか

税理士から届く資料の多くは損益計算書(PL)です。そのため利益を見る習慣はあっても、現金を見る習慣がないのが構造的な理由です。

CF計算書の読み方はキャッシュフロー計算書の読み方で整理しています。

本当に重要なのはどちらか

答えは両方です。

  • 利益がなければ長期的に生き残れない
  • 現金がなければ明日倒産する

両方を月次で確認することが、数字経営の基本です。

経営者が今日からできる3つの第一歩

① 直近3か月の現金残高推移をグラフ化する

エクセルでも紙でも構いません。月末の現金残高を3か月分書き出すと、増加トレンドか減少トレンドかが視覚的に分かります。

② 今月の売掛金合計と先月との差を確認する

差が「売上の伸び」より大きい場合、回収が滞っているサインです。

③ 翌月の支払い合計額を試算する

人件費・家賃・税金・借入返済・主要な仕入れの支払い予定を1枚に書き出します。差し引き残高がプラスかマイナスかを確認するだけで、資金繰り感覚が変わります。

詳細な実務手順は月次決算の進め方で整理しています。

本質的な視点で見ると

利益は会社の成績表です。資金繰りは会社の血液です。

成績が良くても、血液が止まれば会社は動きません。だから経営者は、利益と同じくらい現金残高を見なければなりません。

資金繰り改善の中長期的な観点

1. 「目先のコスト」より「総コスト」: 手数料率だけで判断するのではなく、振込手数料・登記費用・書類作成コスト・対応にかかる時間まで含めた「総コスト」で比較してください。

2. 「不利な条件への対抗策」を持つ: 提示された条件が不利でも、他社の見積もりや業界相場を根拠に交渉できる場合があります。複数社相見積もりは交渉力の源泉です。

3. 「契約後のフォロー体制」も評価: 入金タイミング・トラブル時の対応窓口・継続利用時の条件改定方針など、契約後の運用面も会社選びの重要な軸です。

資金繰り改善の全体像は中小企業の資金調達9手段ガイドファクタリング会社の比較もあわせてご確認ください。

二重譲渡・架空債権が発覚する5つの理由も参考にしてください。

まとめ

損益は「どれだけ儲かったか」、資金繰りは「支払いができるか」です。

会社を守るためには利益だけではなく、現金残高も管理する必要があります。次の記事では、実際に会社が必要とするお金を計算する運転資金の計算方法を解説します。

シリーズ全体の見取り図は中小企業の数字経営入門で整理しています。

各社の手数料・対応条件はファクタリング会社の比較で確認できます。

よくある質問

A

中小企業では珍しくありません。売掛金・在庫・設備投資で現金が消えている可能性があります。

POSITIONING

ファクタリング会社 比較ポジショニングマップ

縦軸・横軸を切り替えて、各社の強みをひと目で比べられます。ロゴをタップすると詳細ページへ移動します。

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編集部より(ご利用上の注意)

本記事はファクサポ編集部が、ファクタリングや資金繰りに悩む事業者向けに一般的な情報をまとめたものです。審査基準・手数料・契約条件は各社や状況によって異なり、変更される場合があります。実際のご利用前には、各社の公式情報や、税理士・中小企業診断士・弁護士などの専門家に必ずご確認ください。当サイトは情報提供を目的とし、特定のサービスの利用を保証・推奨するものではありません。

参考(一般的な公的情報源)

記載内容は一般的な目安であり、最新の制度・統計・公式情報は次の各機関や各社公式サイトでご確認ください。経済産業省財務省国税庁厚生労働省金融庁中小企業庁。各ファクタリング会社の手数料・対応条件は必ず公式サイトでご確認ください。

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